エンジン、
ラジエーター内に充填されているエンジン冷却水(LLC)は、エンジンを内部から冷却する役割があるのですが、冷却水が漏れ、冷却水水路にかける圧力が減ると冷却水が沸騰、冷却効率が低下することでエンジンオーバーヒートの原因になります。
一度エンジンがオーバーヒートしてしまうと、
シリンダーヘッドや
シリンダーブロック内部が歪んでしまい最悪全交換、研磨し再調整するとしても高額な整備料金が必要となります。
このようなオーバーヒートを発生させないために
インパネ(計器板)には、水温計が取り付けてあります。
<冷却水(LLC)漏れの有無>
コンビネーションメーター内にある水温計が平常値より上昇、もしくはレッドランプが点灯することで、ドライバーに知らせています。
毎日車を駐車する駐車場に何らかが漏れた後があれば、「
エンジンオイル」、「冷却水」の漏れがあるのではないかと考えられます。
ただ冷却水が漏れたとしても、路面に到達するまでにエンジンの熱で蒸発することがあります。
また、「
エアコンの排水」、「
マフラー内の水分排水」ということもありますので、間違わないようにしてください。
エンジンオイルや冷却水の場合、蒸発など漏れた跡が消えるまでに時間がかかるので、そこから判断することもできます。
冷却水路に漏れが発生した場合、漏れた個所で冷却水が固まり、赤い冷却水を使用していれば「カニ玉」のようなものが発生しています。
緑の冷却水を使用していれば「カビ玉」が発生しています。
ボンネットを開け冷却水路を確認することで、漏れの有無を発見することもあります。
<漏れ点検>
「漏れの有無」と「漏れ点検」は異なり、「漏れの有無」はドライバーが行い、「漏れ点検」は自動車整備士が行います。
整備士が漏れ点検を行う場合にはラジエーターキャップテスターを使用し、任意で冷却水路に圧力をかけます。
圧力に耐えられない部品から冷却水漏れが発生することで、漏れの位置が確認できます。
エンジン完全暖気中は、ラジエーターキャップテスター同様、冷却水路に圧力がかかった状態となるので、圧力に耐えられない部品から冷却水が漏れてきます。
しかし冷却水が漏れている状態なので、水温計に注意しながら作業を行わなければ、オーバーヒートする可能性があります。
<その他、冷却系オーバーヒートの原因>
ファンベルト、粘性式ファン
クラッチの故障、摩耗。
電動冷却ファンの作動不良、ラジエーターコア、ヒーターコアなどの腐食、破損などが考えられます。