エンジンオイルとは、車にとって重要な役割を果たす重要な存在です。
毎分数千回転以上の動きを続ける
エンジン内部では、シリンダー内を上下する
ピストン、それに合わせた回転をしているカムシャフト、
クランクシャフトなど、例を上げたらキリがないほど金属同士による摩擦が起こっています。
強い摩擦が生じる熱をおびてしまうので、摩擦を軽減するためにエンジンオイルが潤滑油としてエンジン各部に使われています。
金属同士の摩擦によって生まれた熱は、冷却水だけでは細部まで届かないなどの障害があるため、エンジンオイルも冷却を行っています。
特に
過給器(ターボチャージャー)付きエンジンの場合、タービンを回すのに排気ガスを利用しているなどの点から高温になりやすいですが、その冷却は外気の風とエンジンオイルによって行われています。
そのため高速走行を続けた後すぐにエンジンを止めると、冷却目的のエンジンオイルが潤滑しないためタービンの「焼き付き」現象が起こっ てしまうこともあります。
焼き付きを防ぐための「アフターアイドル」、30秒〜1分程度のアイドリングが必要とされています。
冷却水を使用せずにエンジンオイルのみで冷却を行う「油冷式エンジン」も存在しますが、車の場合には冷却効率が悪いため、今では見かけることが少なくなってます。
油冷式エンジンには必ずといっていいほど『
オイルクーラー』が装備されているのですが、最近のスポーツカーは水冷式エンジンであってもアフターパーツとしてオイルクーラーを取り付けている車が多いです。
エンジンオイルのよる金属の潤滑には、気密保持の役割も担っています。
エンジン各部で圧送・圧縮などが行われているのですが、エンジンオイルによってできた『膜』により、圧力が隙間から抜けることがなく気密保持を行っていることもあります。
金属同士の摩擦によって発生する「鉄粉」、「カーボン」や「スラッジ」など、エンジンオイルによって洗浄し、
オイルフィルターによって取り除かれます。
長期間「鉄」を放置すると錆びてくるように、車も鉄の固まりなので長期間放置していると錆が生じてきます。
エンジンオイルの防腐・防錆効果によってエンジン内部は、多少の期間であれば錆びずに普段どおりの動きができるようになっているのです。
それでも2月間以上の長期間エンジンを始動させていない場合は、いきなりエンジンを始動せずに
スターターの低回転でエンジンを回転させるなどの配慮が必要となってきます。