エアコン(カーエアコン)とは、エアーコンディショナーの略です。
車内に設置されているカーエアコンを使うことで、「暖房」「冷房」と温度調整ができます。
数十年前の車にはカーエアコンが標準装備されておらす、ドアに付属で取り付けてある小さな小窓などで外の風を取り込んでいる時代がありました。
その後カーエアコンがオプション装備や後付可能なオプション品となり、多くの人が購入することによる大量生産で単価が落ちて標準装備品となりました。
カーエアコンには「マニュアル」と「オート」があり、軽自動車などコストが安い車にはマニュアルが多く、高級車などにはオートエアコンとなっていました。
今ではマニュアル設定の車両でも、グレードによってオート設定になったりもします。
冷暖房の温度調整を自分で行う必要があり、「暑い」「寒い」などでの「ON/OFF」を自分で行わないといけないなど、運転の妨げとなることがあります。
節約運転をするのにはマニュアルエアコンの方が適しているかもしれません。
指定している温度に車内を自動調整してくれます。
スイッチ「ON/OFF」のわずらわしさがなく、エアコン吹き出し口を指定するだけで内規循環か外気導入かも適したほうに自動調整してくれます。
エアコンの吹き出し口を「上下」「左右」に、スイング設定できるカーエアコンもあります。
<必要性>
車内の快適性を向上するもので、輻射熱の影響を受けやすい車には必要不可欠な装備となっています。
エンジンが発熱し、その熱が熱伝導によりエンジンルームに伝わります。
換気によって熱伝導を抑えるようにしていますが、エンジンルームは雨などの侵入を防ぐように造られているため効率が悪く、熱がこもります。
その他、日射熱によって車内温度が上昇しますし、運転に必要な補機類からの発熱もあります。
<冷房>
過去「R12」が使用されていましたが、オゾン層の破壊が確認されてから、車に称されるエアコンガスは、「R134a」となりました。
古い車は「R12」から、「代用R12」と切り替えています。
(「R12」には塩素が入っていました)
冷媒を用いて熱の移動を行い、冷房効果を得ます。
「コンプレッサー」、ガス状の冷媒を高温圧縮します。
↓ 気体(高温圧縮)
「コンデンサー」、高温圧縮のガスを冷却し、液体へと変化させます。
↓ 液体(高温圧縮)
「レシーバー&ドライヤー」、水分とゴミを取り除きます。
↓ 液体(高温圧縮)
「エキスパンションバルブ」、冷媒の圧力を下げ、霧状に噴射させます。
↓ 液体(低温低圧)
「エバポレーター」、霧状冷媒が周囲の熱を奪うことで、ガス状に戻ります。
↓ 気体(低温低圧)
(コンプレッサーに戻ります)
カーエアコンの「ON/OFF」に応じてマグネットクラッチを作動させ、ベルトで空転していたコンプレッサーを回転させます。
冷媒ガスを潤滑させるのに必要となり、冷媒ガスを圧縮して液体化しやすいようにしています。
「入口」 = 「低温低圧気体」 = 「1.5〜2.0kg/cu」
「出口」 = 「高温高圧気体」 = 「15kg/cu」
エンジン冷却水(LLC)を冷やすラジエーターの前に設置されており、高温高圧になった冷媒ガスを冷却し、液体化します。
「入口」 = 「約90℃」 = 「気体」
「出口」 = 「約50℃」 = 「液体」
液体化した冷媒を必要に応じてエバポレーターに供給できるように貯えます。
またストレーナーや乾燥材を使用し、冷媒中のゴミや水分を除去します。
サイドグラスからは冷媒の流れを見ることができ、冷媒ガスの充填率の目安とします。
液体の冷媒をエバポレーター内に必要量に応じて霧状噴射して、周囲の熱を奪い冷却を行います。
霧状に噴霧された冷媒ガスの効力によって周囲の熱を奪い、エバポレーターのコルゲートフィンによって冷却効果を上げています。
コンプレッサーを回転させるために必要な力を、アイドルアップすることによって賄い、エンストを防ぎます。
<暖房>
熱は高い所から低い所へと移動します。
「熱伝導」、内部から伝わる熱です。
「輻射熱」、加熱された物体表面から放出される熱です。
「対流熱」、流体の運動による伝わる熱です。
「温水式」
エンジン冷却水(LLC)を熱源として利用した暖房装置です。
「排気式」
エンジンの排気熱を利用した暖房装置です。
「燃焼式」
エンジンと別に独立した燃焼装置を設け、暖房に利用しています。