ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)とは、オートマチック
トランスミッション(以下、ATミッション)内に充填されている油脂(フルード)のことです。
ATミッション内の
トルクコンバーターもATFを使い「作動」「トルクアップ」を行っています。
「オートマチックトランスミッションオイル」とも呼ぶ方もいますが、どちらでも通じるのでかまいません。
<役目>
エンジンの動力をATFを使い流体へと変化させ、ATミッションへ動力を伝える役割をしています。
シフトチェンジの際のアクチュエーター作動油として、ATミッション内にATFが充填されています。
ギヤなど各部品の潤滑油としても使用されており、摩擦を低減させる役割を担っています。
摩擦による熱を吸収し、
オイルクーラーへと送ることで冷却を行います。
ATミッション内の不純物を洗浄する役割も担っています。
<ATFの条件>
・ギヤ、トルクコンバーターの回転などによる、ATFの泡立ちがないこと
・アクチュエーターの作動時に変速ショックが小さいなど、適度な摩擦係数があること
・低温時の流動性と、適度な粘度指数があること
・耐熱性があり、スラッジなどの不純物を自然発生させないこと
<ATF取り扱いの注意点>
・ATミッションの動きは複雑なことから、ゴミなどの「不純物」を混入させないこと
・ATミッションの牽引は「時速30km/h」以内で、なおかつ「80キロ」までとされています。
エンジンが動いていないAT車はATFを冷却できないので、ATミッションが焼き付いてしまう可能性があるからです。