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省略されてしまうバッテリー点検での手抜き
車にとってバッテリーはエンジンを始動するだけではなく、「カーオーディオ」や「カーエアコン」などにもバッテリーの電力は使われており、車が動いている限りバッテリーは使用されると同時に「充電」もされています。

そんなハードワークを続けているバッテリーは、みなさんが思っている以上に「寿命は短い」です。



<バッテリー点検とは>
バッテリーサイズ(容量)によって多少異なりますが、取扱説明書などにはバッテリーの使用期間が「3〜5年程」と記載されています。

しかし、たとえバッテリーサイズに合った使用期間中であっても、「車の使い方」「運転方法」によってはバッテリー上がりを起こし、JAFなどのロードサービスにお世話になることもあります。


それに最近では「バッテリー交換必要」と助言しても「まだそれほど使ってないから大丈夫だから交換は必要ない」と言って、断固としてバッテリー交換をしないお客様もいます。

バッテリーは使用量より使用期間に重点を置いた方がよく、点検している自動車整備士側も不安でたまりません。



・定期的な交換を推奨
自動車ディーラーで売っているバッテリーは交換後にトラブルが発生しないように「高性能バッテリー」を販売している店舗が多く、値段も高く、「バッテリー交換が必要」と言っても簡単に交換してくれるお客が少ないのが現状です。

そのためバッテリーの定期交換には適してないともいえます。


バッテリー交換を定期的に行うためにも自動車ディーラーで売っているような高性能バッテリーではなく、カー用品店で売っている「安いバッテリーを定期的に交換する」ことをオススメします。


小サイズ(容量)のバッテリーであったら「車検」、もしくは「3年」で定期交換。
中サイズ(容量)のバッテリーであったら「3年から4年」で定期交換。
大サイズ(容量)のバッテリーであったら「4年から5年」で定期交換するのが妥当な使用期間ではないでしょうか。
(余談※1)




<バッテリー製造年月日の見方>
タイヤにも「タイヤ製造年月日」があるように、バッテリーにも「バッテリー製造年月日」があります。

しかしバッテリー製造年月日は「JIS規格」で定められた「バッテリー規格」とは違いメーカー独自の表記となるので、下で紹介する読み方全てがあてはまるわけではありません。


・海外方式の日付の読み方
バッテリーの本体かプリント面に「6桁の数字」が記載されています。
これを海外で使われる「日付の記入方法」と考え、逆から読み取ればバッテリーの製造年月日がわかります。

バッテリー製造年月日(パナソニック)
191105D」と表記されています。

「05」 は「年」 = 「2005年」
「11」 は「月」 = 「11月」
「19」 は「日」 = 「19日」


「19/11/05」 or 「19 Nov '05」
といったようにバッテリーの製造年月日の確認ができます。


4桁の場合、「日」がないだけで、同じ方法で「月」と「年」がわかります。
8桁の場合、左から6桁で読み取って、「右の2桁は無視」してください。




・英数字の組み合わせ
「英数字の組み合わせ」で製造年月日を表記しているバッテリーもあります。

5KR19」と表記、刻印されていたら。

「5」 は「年」 = 「2005年」 (※2011年は、「1」もしくは「11」)
「K」 は「月」 = 「11月」 (A=1月、B=2月、C=3月、、、K=11月、L=12月)
「R」 は「無視してください」
「19」 は「日」 = 「19日」



5K191」と表記、刻印されていたら。

「5」 は「年」 = 「2005年」 (※2011年は、「1」もしくは「11」)
「K」 は「月」 = 「11月」 A=1月、B=2月、C=3月、、、K=11月、L=12月
「19」 は「日」 = 「19日」
「1」 は「無視してください」




<バッテリー点検での手抜き整備>
・バッテリーの見た目だけで点検
車が新車に近い状態であれば必然的にバッテリーも新しいので、バッテリーテスターで点検せずに終わらせます。

新車でなくともバッテリーを見た目で状態を判断して、新ければ点検をせずに終わらせる手抜きが行われていることがあります。



・バッテリーの製造年月日を確認して終了
バッテリーの製造年月日を上記の方法で確認し新しければそのまま、古ければ「バッテリー交換必要」と伝え、バッテリー上がりによる責任逃れをしています。



・バッテリー液点検をしない
バッテリー液点検は、バッテリー本体が古いとプラスチック面が「くすんだり」「汚れたり」して、バッテリーや車体を揺らすだけではバッテリー液残量の確認が難しくなってきます。

そのためバッテリーセルのキャップを取り外しバッテリー液の残量を確認する必要があるのですが、補充が必要となれば6個のキャップを取り外し補充、その後組み付けなければいけません。
そして近くにバッテリー補充液(精製水)がなければ、部品庫まで取りに行く必要があります。


このような単純作業であっても「手間」と「時間」が掛かる整備は手抜き整備士は好みません。

そのためバッテリー液チェックを行わなかったり、減りが早い端子付近のセルだけを補充したり、最悪の場合バッテリー液を使わずに「水」を補充していることもあります。



様々な方法でバッテリー「点検」を手抜きする整備士がいますが、バッテリー「液補充」を手抜きする整備士の方が多く見かけられます。

もしかするとこういった手抜きからバッテリー上がりを起こす車が多いのかもしれません。
(余談※2)



余談
※1、小サイズ(容量)のバッテリーとは、軽自動車に標準装備されているサイズのバッテリーです。
中サイズ(容量)のバッテリーとは、一般に普通乗用車といわれる車種(セダン、ステーションワゴン)と、コンパクトカーに標準装備されているバッテリーです。
大サイズ(容量)のバッテリーとは、スポーツカーといわれるクーペ、SUV、エスティマなどのミニバン、主に3ナンバーの車両に標準装備されているバッテリーにあたります。
格サイズ(容量)で説明したいところですが、車両ごとに標準装備されているバッテリーが違うため、このような説明になっています。

※2、もしよく利用している整備工場で、手抜きが行われているか確認したければ、一年点検や、車検などの定期点検後に、バッテリー液が基準値内にあるか確認してみてください。
もし基準値以内にバッテリー液が入っていなければ、補充が行われていないので、もしかするとその工場には、手抜き整備士が潜んでいるかもしれません。
注意
※、ここに掲載されている内容は、ごく一部の症例です。
全ての自動車整備士が、このような手抜き整備を行っているわけではありません。
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