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省略されるスペアタイヤ空気圧調整の手抜き
スペアタイヤとは、タイヤがパンクして走行困難になった時に、パンクしたタイヤをスペアタイヤに交換して最寄りの工場に行くまでの「非常用タイヤ」です。
(注意※1)


しかし最近の車業界はスペアタイヤ搭載が義務ではなくなったのか、スペアタイヤを搭載している車が減少傾向にあります。

その背景として、スペアタイヤへの交換ができない人が増え、男性であってもJAFなどの出張サービスに頼る方が増えてきたからです。
そのため一度も使われることなく眠ったままのスペアタイヤを車に載せておくよりも、重量低減による燃費向上のためにスペアタイヤを降ろし、本来スペアタイヤがあった場所を荷物置き場に変えることにより、より広い空間を確保するためではないでしょうか。




<スペアタイヤ非搭載車>
スペアタイヤなど車載工具を装備していない車がパンクした場合、ドライバーはどうすればいいのでしょうか。

パンクの多くはクギ踏み等が多く、JAFやガソリンスタンド等で補修することができます。

そのためドライバーは早期にパンクに気づきガソリンスタンドで補修してもらうか、完全にタイヤの空気が抜けたのであれば、JAFなどの出張サービスを呼んで補修してもらう必要があります。




<パンクの有無>
パンクの有無は半年点検など点検作業では必ず行われ、タイヤエアー調整で簡単にわかります。

タイヤエアーは常に均等に入れられるので、4本中1本でも「タイヤエアーが減って」いればパンクの可能性があります。
そのときにタイヤを隅々まで点検すれば、クギ等が刺さっていたりするので補修を施します。
(余談※1)


走行中であれば「ハンドルが左右に流れ」だしたり取られたりするので、その時はパンクをして空気が抜けている可能性があります。

ハンドルが流れだしたり取られるようになるほどタイヤエアーが抜けていれば、タイヤを見るだけで確認できますので、できるだけ早くタイヤの状態を確認してください。




<スペアタイヤ搭載車>
スペアタイヤは車の「トランクルーム」「後部座席の下」「車体の下」に隠すように搭載されていますので、一度説明書を読んで場所を確認しておくとスペアタイヤへの交換時に便利です。
パンダジャッキなどの車載工具の位置も忘れずに確認しておきましょう。

スペアタイヤへの交換作業は自動車学校で一通り習っているはずです。




<スペアタイヤ空気圧調整での手抜き整備>
本来、スペアタイヤ空気圧調整は「法定一年点検(12ヶ月法定点検)」や「車検(24ヶ月法定点検)」で点検・調整されます。


・次の点検で誰かがやるだろう
上記の法定点検作業時にスペアタイヤ空気圧調整をすることは、点検項目に加えられているので必須です。

しかし時間のを惜しみ作業時間短縮のため、「次回の点検時に誰かがやってくれるだろう」と考え、スペアタイヤの空気圧調整をしない自動車整備士がいます。

そのため、いざパンクなどでスペアタイヤが必要となった時には空気が入っておらず、スペアタイヤ搭載車なのにJAFなどのロードサービスにお世話になってしまいます。


「次の点検で誰かがやるだろう」、このような考えを持つ整備士が多いため、なかなか減らないスペアタイヤに空気が入っていないのです。



・調整の邪魔物
法定点検にスペアタイヤ空気圧調整の項目がある限り、手抜きに関する主な原因は整備士側にあります。

しかしスペアタイヤの空気圧を調整しようとトランクルームを開ける整備士は多く見かけます。
その際に整理・整頓されていない荷物が山のようにトランクルームに詰め込んであれば、作業の妨げになるのは当たり前す。

「スピード」と「確実性」を求められる整備士が、山のような荷物を見たときに「この車のオーナーはスペアタイヤ空気圧調整を必要としていないのか」「この山のような荷物を降ろしてスペアタイヤの空気圧調整しろってか!」などの気分になるのも納得できます。


特にスペアタイヤ空気圧調整は「整備する側」「される側」、双方の思いやりがあっての作業になると思います。



余談
※1、自身でタイヤエアーを入れ調整する場合も、タイヤエアーの残量に注意しながら調整してください。
もし1本でもタイヤエアーが減っているようであれば、そままガソリンスタンドの店員を呼んでパンクの有無を確認してもらいましょう。
注意
※1、タイヤがパンクした状態で走行を続けると「タイヤ」と「ホイール」を傷めてしまい、パンク修理だけではタイヤが治らない状態になることもあります。
この場合、タイヤとホイールを新品に交換しないといけなくなるので、タイヤがパンクしたら速やかに走行の妨げにならない路肩に車を止め、スペアタイヤに交換するか最寄りの工場に連絡をしましょう。

※、ここに掲載されている内容は、ごく一部の症例です。
全ての自動車整備士が、このような手抜き整備を行っているわけではありません。
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