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バッテリーの点検・液補充・交換
<バッテリー点検>
バッテリー点検には「バッテリーテスター」や「比重計」を必要とする項目もあります。

工具を揃えて点検する方法以外に、「バッテリーの製造年月日」から交換時期を判断する方法があります。

車の豆知識&知っ得情報 ≫ バッテリー製造年月日の見方




<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・安全眼鏡(目にバッテリー液が入らないように、眼鏡、サングラス等)
・バッテリーテスター(使用方法は説明書参照のこと)
・比重計(バッテリー液の濃度を調べるための比重計)
・ハブナットレンチ、もしくはプラスドライバー(大)、10円玉
・ウエス(汚れや埃を拭き取るボロ雑巾など)


‐ワイヤーブラシ(バッテリー端子(電極部)にできた白い粉の塊(サルフェーション)を取り除くため)
(余談※1)




<作業手順>
1、ボンネットを開け、エンジンルームを開きます。


(2)バッテリー端子(電極部)にできたサルフェーションや腐食を、ワイヤーブラシを使い取り除きます。
粉が舞い上がることがあるので吸い込まないように注意しながら取り除きます。


3、ウエスを使い、バッテリーに積もった埃や汚れを取り除きます。


(4)バッテリーテスターを使い、バッテリーの状態を調べます。
(バッテリーテスターの使用法は取り扱い説明書参照のこと)

市販の電気テスター「ボルト(V)」を使用し、バッテリー電圧を調べた場合、その基準値は「12V」(12.6V)以上を指します。

バッテリーキャップ
5、「ハブナットレンチ」、もしくは「プラスドライバー(大)」「10円玉」を使い、バッテリーセルキャップ(写真赤丸)を取り外します。
(注意※1)


6、比重計を使用し、バッテリー液の比重を調べます。
(比重計の使用方法は取扱説明書参照のこと)

基準値「1.250〜1.280」(バッテリー液温20℃)
バッテリー液の温度が±1℃変化することに比重が「±0.0007」変化します。

バッテリー液温「1℃」上昇 = 比重値「0.0007」低下
バッテリー液温「1℃」低下 = 比重値「0.0007」上昇

比重値の安定のためにも、運転後、もしくは充電後、30〜60分ほど経過してから計測をしたほうが良いでしょう。
(余談※1)


7、バッテリーセルキャップを取り付け締めます。
液漏れ防止のためゴムガスケットが付いているので、工具+指の力程度で締めこめば十分です。


8、飛び散ったバッテリー液をウエスで拭き取ります。
(注意※1)

使用した比重計はバッテリー液が残らないように水洗いし、乾燥させた後、保管してください。


9、再度、取り付け状態を確認してボンネットを閉じれば終了です。




<点検時期>
半年に一度。
バッテリーが古く感じたり、力(容量)が小さくなったと感じたとき。
バッテリー上がりを起こし再度使用するとき。
バッテリーを充電したとき。





<バッテリー液補充>

車を運転していれば徐々にバッテリー液は減っていきます。
(硫酸(希硫酸)自体は、蒸発はしません)

そのためバッテリー液を補充するのですが、それはバッテリー液の濃度を薄めることにもなります。
しかしバッテリーを長持ちさせるためには必要なことです。




<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・安全眼鏡(目にバッテリー液が入らないように、眼鏡、サングラス等)
・ハブナットレンチ、もしくはプラスドライバー(大)、10円玉
・ウエス(汚れや埃を拭き取るボロ雑巾など)
・バッテリー補充液(蒸留水です。緊急時以外は水道水などは避けてください)


-ワイヤーブラシ(バッテリー端子(電極部)にできた白い粉の塊(サルフェーション)を取り除くため)
(余談※1)




<作業内容>
1、ボンネットを開け、エンジンルームを開きます。


(2)バッテリー端子(電極部)にできたサルフェーションや腐食を、ワイヤーブラシを使い取り除きます。
粉が舞い上がることがあるので吸い込まないように注意しながら取り除きます。


3、ウエスを使い、バッテリーに積もった埃や汚れを取り除きます。


4、バッテリー液量を確認。
バッテリーの「FULL」「LOW」ラインが見える位置に移動します。
車を揺すったり、ライトを照らしたりして、バッテリー液量を確認します。
(確認が難しければ、セルキャップを取り外した後、液量を確認します)

「Low」ラインより、バッテリー液が減っていれば補充が必要となります。

セルキャップ
5、「ハブナットレンチ」、もしくは「プラスドライバー(大)」「10円玉」を使い、バッテリーセルキャップ(写真赤丸)を取り外します。
(注意※1)


6、バッテリー液を補充。
バッテリー液量バッテリー液を「FULL」ラインより少し下になるぐらいに、全てのセル(上の写真では6個)にバッテリー液を補充していきます。
(購入したバッテリー補充液の容器に似合った方法で補充してください)

多少であれば入れすぎても問題ありませんが、入れすぎないようにラインより下に合わせる感じでバッテリー液を補充していきましょう。
(注意※1、2)

各セル均等にバッテリー液が減っていくわけではないので、随時確認しながら徐々にバッテリー液を補充していきましょう。


7、バッテリーセルキャップを取り付け締めます。
液漏れ防止のためゴムガスケットが付いているので、工具+指の力程度で締めこめば十分です。


8、飛び散ったバッテリー液をウエスで拭き取ります。
(注意※1)


9、再度、取り付け状態を確認してボンネットを閉じれば終了です。




<点検時期>
半年に一度。
省略されていなければ半年点検でバッテリー液を補充しているはずです。





<バッテリー交換>

最近の車はバッテリーを外し常時電源がなくなると一部電装品のメモリーが初期設定に戻ってしまうため、あまりお勧めできる作業ではありません。
(オートパワーウインドウ、カーオーディオ、ナビ、時計など)

それでも作業を行う場合にはエンジン停止後10分程度放置した後、交換作業を行ってください。
(バッテリー交換後に動かない電装品がでてきたら、お近くの取扱店へ)


もしくはバッテリー交換の際のメモリー保護のために乾電池や予備バッテリーを使用した、メモリー保護アイテムを購入し使用することです。


または電装品が初期設定に戻らないようにエンジンをかけたままバッテリー交換をするのであれば、「バッテリー上がりで使える裏技




<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・10mm、12mmのメガネレンチ(一部車両のバッテリー端子が12mm)
・10mm、12mmのディープソケット、もしくは、ボックスドライバー
・ラチェット、もしくはT型レンチ
・マイナスドライバー(中、もしくは大)
・新品のバッテリー(バッテリーサイズ、端子位置を間違えないように)
・メモリー保護アイテム
・ウエス


-ワイヤーブラシ(バッテリー端子(電極部)にできた白い粉の塊(サルフェーション)を取り除くため)
(余談※1)




<作業内容>
1、車のキーをOFFにしてカギを抜き取り、ドアなどの電気を使用せずに10分程度放置します。


2、ボンネットを開け、エンジンルームを開きます。


(3)バッテリー端子(電極部)にできたサルフェーションや腐食を、ワイヤーブラシを使い取り除きます。
粉が舞い上がることがあるので吸い込まないように注意しながら取り除きます。


4、ウエスを使い、バッテリーに積もった埃や汚れを取り除きます。


5、交換用の新品の「バッテリーのサイズ」が合っているか、「プラス、マイナス端子の位置」が合っているか再度確認します。


(6)メモリー保護アイテムを取扱説明書の指示に従って、ワニ口クリップをバッテリー端子に取り付けます。

バッテリー端子
7、バッテリー端子を取り外し。
10mm、もしくは12mmのメガネレンチを使用し、バッテリー端子の「マイナス」を先に外した後、「プラス」側の端子を外します。

「マイナス端子」 ⇒ 「プラス端子」の順番です。

バッテリー端子の取り外しが困難な場合、マイナスドライバーを使用して端子の合口(丸口)を広げてください。

外したプラス端子がプラスチック以外のボディーアース(マイナス)に接触しないように注意してください。
(メモリー保護アイテムのワニ口クリップが外れないように注意してください)


8、バッテリーステー取り外し。
10mm、もしくは12mmの工具を使用しバッテリーステーを取り外します。
バッテリーステーの奥側(リア側)の棒の取り付けフックの位置を確認しながら、取り外してください。

取り外し中に工具やバッテリーステーが、バッテリーのプラス端子に接触しないように注意してください。


9、バッテリー交換。
バッテリー端子の位置、方向を確認しながら、古いバッテリーから新品のバッテリーに交換します。


10、バッテリー端子取り付け。
プラス、マイナスを間違えないように、バッテリー端子の「プラス」を先に取り付けた後「マイナス」端子を取り付けます。

「プラス端子」 ⇒ 「マイナス端子」の順番です。
(取り外した時と順番は逆です)

バッテリー端子の取り付けが困難な場合、マイナスドライバーを使用して端子の合口(丸口)を広げます。

バッテリー端子を上から軽く叩いて、奥まで合口(丸口)が入っていることを確認します。

10mm、もしくは12mmのメガネレンチを使用し端子を固定します。
工具+指の力程度の締め付けトルクで十分です。


11、バッテリー端子がしっかりと奥まで入っていることを確認します。


(12)メモリー保護アイテムを取扱説明書の指示に従って、ワニ口クリップをバッテリー端子から取り外します。


13、バッテリーステーの取り付け。
バッテリーステーがバッテリー端子に接触しないように注意しながら、奥側(リア側)の棒を固定フックに引っ掻けます。

バッテリー位置を調整しながらバッテリーをステー取り付けます。

ステーの手前のボルトから締め、奥(リア側)のナットで固定具合を調整します。
工具+指の力程度の締め付けトルクで十分です。


14、手で、バッテリー端子とバッテリーが動かないことを確認します。


15、キーを差し込みエンジンを始動します。
カーナビ、パワーウインドウに問題がないか確認します。


16、再度、取り付け状態を確認してボンネットを閉じれば終了です。




<交換時期>
・バッテリー交換が必要になった時。

・定期的なバッテリー交換時期。
バッテリー交換を定期的に行うためには自動車ディーラーで売っているような高性能バッテリーではなく、カー用品店で売っている安いバッテリーを定期的に交換します。

小サイズ(容量)のバッテリーであったら車検、もしくは3年で定期交換。
中サイズ(容量)のバッテリーであったら3年から4年で定期交換。
大サイズ(容量)のバッテリーであったら4年から5年で定期交換するのが妥当な使用期間ではないでしょうか。



余談
※1、バッテリー端子にできた白い粉の塊はサルフェーションといい、硫酸塩が結晶化し付着たものです。
サルフェーションができたバッテリーは電気抵抗が増しており、電気の流れが悪くなり性能が低下していることからバッテリー要交換のサインです。
しかし前回のバッテリー交換の際に手抜き整備士がいれば、サルフェーションを確実に取り除いてくれているわけではないので鵜呑みにするのも危険です。

※2、バッテリー液温で比重が変化することから、バッテリーの寿命はバッテリー液の比重で決まるものではありません。
あくまでもバッテリー交換への目安でしかありませんので、鵜呑みにはしないでください。
注意
※1、バッテリー液には「希硫酸(電解液)」が使用されおり取り扱いには注意が必要です。

・皮膚にバッテリー液が付いた場合、綺麗に洗い流してください。

・目にバッテリー液が入った場合、30分以上目を洗い(プールで遊んだ後、目を洗った要領)眼科へ。

・服にバッテリー液が付いた場合、水で洗い流してください。
そのまま放置しておくと服に穴が開くことがあります。

・エンジンルームにバッテリー液が付いた場合、水拭きしてください。

・ボディー、塗装面にバッテリー液が付いた場合、洗い流してください。
放置していると塗装が浮き上がって剥がれることもあります。

※2、バッテリー補充液には市販されている蒸留水を使用してください。
水道水、ミネラルウォーターなどの使用はバッテリー性能低下の恐れがあります。

※、少しでも難しいと感じたら、車整備に詳しい人、もしくは、専門の人と一緒に作業を行うようにしてください。
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