エアクリーナーエレメントとは、空気中に含まれる「ゴミ」や「チリ」などが
エンジン内部に進入するとエンジンにダメージを与えることがあるので、エンジンの空気吸入口にエアクリーナーエレメントを取り付け「ゴミやチリなどを取り除く」ためのフィルターです。
エアクリーナーエレメントの役割を身近なもので例えると、花粉や埃を取り除く「マスク」です。
<エアクリーナー点検・交換時期>
エアクリーナーエレメントは、「一年点検(12ヶ月点検)」と「車検(24ヶ月点検)」で点検、清掃が行われます。
そこで
自動車整備士がエアクリーナーエレメントの交換が必要だと思えば交換になりますし、清掃だけでよいと思えば清掃することになります。
「交換」か「清掃」か、そこは整備士の経験と勘によるものですが、最近ではエアクリーナーエレメントその物の値段が安くなっていることから、「交換」に過剰に反応する必要はないと思います。
自動車メーカーが推奨しているエアクリーナーエレメントの交換時期は、メーカーや素材によって多少異なりますが、「4〜5万キロ」とされています。
しかしよほどキレイな道を利用しているか、都心部からはなれていなければここまで使用するのは難しいです。
私の経験上エアクリーナーエレメントは、「約3万キロ」で交換するのが妥当だと思います。
<エアクリーナー清掃方法>
自動車ディーラーやカー用品店などの整備工場にはエアーコンプレッサーが設置してあるので、エアーガンを使いエアクリーナーエレメントに付いたゴミやチリを吹き飛ばします。
エンジン側よりエアーガンを使い、エアクリーナーエレメントに付いたゴミやチリを中を通して吹き飛ばします。
外気吸入側から吹き付けると、エアクリーナーエレメントに付いたゴミやチリを奥に押し込んでしまうので、エンジン側から吹き付けるのが基本です。
しかし実際の作業となると基本通りではなく、「エンジン側から吹き付け」 → 「外気側から吹き付け」 → 「再度エンジン側より吹き付ける」といった流れを作っている店舗もあります。
なぜならお客がお店側に求めるものの一つに「見た目」というのがあるからです。
エアクリーナーエレメントも、両側より吹き付ける方が見た目がキレイになり、基本通りではないと思われるかもしれませんが、これは自分で整備するお客が増えてきたことから、清掃後の見た目も大切となってきたからでしょう。
<エアクリーナー目詰まりによる不具合>
エンジンの吸入工程があるかぎりエンジンは外気を取り込まなくてはいけないので、外気吸入後のフィルター役であるエアクリーナーエレメントは徐々に汚れていきます。
エアクリーナーエレメントの汚れとはフィルターの目詰まりなので、エンジンへの空気の注入量が減っていくことになります。
エンジンの吸入量が減る(吸入抵抗がある)ということは、完全燃焼に必要な充分な空気量が確保できず、「エンジンの出力低下」や「
燃費の悪化」などの原因になります。
(余談※1)
エアクリーナーエレメントが目詰まりしてきて(汚れてきて)もエンジンの回転には空気が必要となるので、エンジンは無理して外気を取り込もうとします。
1トン近くある車を動かすエンジンですので、エアクリーナーエレメントが目詰まりしているぐらいでは外気の吸入を止めることはありません。
そしてエアクリーナーエレメントに付いたゴミやチリが、エンジンの吸引力で徐々に引き込まれていき、最後にはエンジン内部に入ることもあります。
エンジン内部に入ったゴミやチリなどの異物は、そのまま燃焼され排出されることもありますし、内部にキズをつけたり、詰まったりすることもあります。
最悪の場合、エンジンの密閉力を低下させ、出力低下などのエンジンへのダメージを徐々に徐々に蓄積していくことになります。
(注意※1)
<エアクリーナー清掃での手抜き整備>
(余談にあるように)エアクリーナーエレメントの目詰まりから「出力の低下」や「燃費の悪化」がドライバーに感じられないように、エアクリーナーエレメントを清掃したからといってそれがドライバーに伝わるものではありません。
一年点検や車検時の走行距離から、「点検」「清掃」の必要の有無を確認し、走行距離が短ければ点検すらしない。
一年点検や車検時の点検に「交換が必要か確認」するだけで、エアクリーナーエレメントの清掃を行わない。