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ブレーキフルードを綺麗に交換
ブレーキフルード交換は、車の三大要素「走る・曲がる・止まる」の「止まる」にあたることから、作業ミスは重大な事故につながりかねません。
安全と保証のためには最寄りの整備工場に依頼する方が安心です。

ブレーキフルード抜き換え時は、「2人以上」で作業を行うと簡単です。
1人で作業を行う場合は、ゴムホースの間に「ワンウェイバルブ」を取り付ける必要があります。




<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・油圧ジャッキ、リジットラック(馬)×4
タイヤを外す工具(ジャッキ、ハブナットレンチ)
・8mm、10mmのメガネスパナ(ブリーダープラグに使用)
・新品のブレーキフルード
・ブレーキフルードを吸いだす工具
・廃油(ブレーキフルード)用の容器(ゴムホース、廃油容器)
・水(こぼれたブレーキフルードを流すのに使用)


-ワンウェイバルブ(ひとり作業の場合)




<作業手順>
1、車をジャッキアップ可能なポイント、平坦で路面に隙間がないコンクリート詰めの場所に移動させます。
(注意※1)


2、シフトレバーを「Pレンジ」にサイドブレーキをかけます。
後輪後ろに輪止めを設置します。
(輪止めがなければ何か代用品を使用してください)


3、タイヤを取り外すための下準備。
ジャッキアップしてしまうとハブボルトを取り外すのに正規の手順を踏むことができなくなることに加えて、取り外しが困難となるのでジャッキアップ前に行います。

-ホイールキャップが付いていればハブナットレンチの反対側の端、もしくはマイナスドライバー(大)を使い取り外します。
(勢いをつけて引っ張ることで取り外すこともできます)

ハブナットレンチを使い、ハブナットを対角方向に1/2回転ずつ緩めます。

ジャッキポイント
4、ジャッキアップ。
車両のジャッキアップポイント(車の取扱説明書に記載されている位置)にジャッキをかけて、車をジャッキアップしていきます。
(基本、4輪ジャッキアップ、フロント側からです)
(写真、矢印ジャッキアップポイント、その他の赤リジットラックポイント)
駄目なジャッキポイント
油圧ジャッキで車両を上げた後は、リジットラック(通称、うま)を必ず使用してください。
※ジャッキだけで車を保持するのは大変危険です。
(余談※1)

(写真は、ジャッキをかけてはいけないポイントをシールで注意書き)


5、タイヤ取り外し。
タイヤの落下を太ももで支えながらハブボルトを外していきます。

作業工程「3」でハブボルトを緩めているので手で取り外しが可能です。
それでも取り外しが困難な場合、ハブナットレンチで軽く叩くようにして緩めていってください。

※必ず外したタイヤは車の下に入れてください。
(注意※2)

ブレーキフルード
6、ブレーキフルード抜き取り。
ボンネットを開け、吸い出し工具を使用しリザーブタンクから古いブレーキフルードを抜き取ります。


7、新品のブレーキフルード注入。
新品のブレーキフルードを補充するか、新品のブレーキフルードが入った容器を素早く逆さまにして差し込みます。
逆さまにした場合は、倒れない程度に傾けておくとエアーが入る確率が減ります。


8、ブリーダープラグ位置確認。
ブレーキキャリパードラムブレーキからブリーダープラグを探し、ゴムキャップを取り外します。
(ゴムキャップは劣化(硬化)して再使用できなかったり、走行中に外れている場合があります)


9、ブレーキフルード抜き取り。
協力者に運転席に乗車してもらいます。

ブリーダープラグにゴムホースと廃油容器を取り付け、8mm、10mmのメガネスパナで緩めます。

「左リヤ」 → 「右リヤ」 → 「左フロント」 → 「右フロント」
上が基本となりますが、多少異なっていいても問題ありませんし、綺麗に抜き替えたい場合は、2回行うと良いでしょう。


ブレーキペダルを繰り返し踏んでもらい、古いブレーキフルードを抜きます。

※、タンク内のブレーキフルード量に注意しながら行ってください。


10、ブリーダープラグの締め付け。
ブレーキペダルを踏んだままにしてもらい、ブリーダープラグを締めます。

※、締め付けトルクに注意。
ブリーダープラグは8mmと細いため、強く締めすぎるとネジ切ってしまいます。
指二本で強く締めたと思うぐらいの力で締めましょう。


11、ブレーキフルードの量調整。
4輪全てのブレーキフルード交換が終了したら、ブレーキペダルを数回踏み、ブレーキフルードの量が規定内に入っているかを確認します。
(「FULL」ライン付近)
(注意※3)


15、タイヤ取り付け。
ブレーキキャリパーのボルトが締まっているか再度確認した後、タイヤを仮付けします。
できるだけタイヤをセンターに合わせ手でハブナットを締めこめば、仮付け終了です。


16、ジャッキダウン。
ジャッキアップとは全く逆の手順で、ジャッキダウンを行います。


17、ハブナット本締め。
自重を手に乗せる感じで、ハブナットを対角に締めていきます。


18、再度ブレーキフルードの量を確認し、ボディーや部品に付着したブレーキフルードを水で洗い流したら、ボンネットを閉じ終了です。




<点検時期>
新車は3年で交換。
それからは車検毎に交換となります。

その他ベーパーロック現象が発生した後、交換が必要となります。



余談
※1、外したタイヤを車の下にも入れずフロアジャッキだけで車を保持して、車の下に潜って作業している風景を素人型カーショーなどで見かけることがあります。
整備士免許を持っている人からすると「車好きの素人」「死にたいのか」などと思います。
そもそもその様な作業をする素人が、油圧ジャッキのメンテナンスを行っているとは思えません。
カッコイイと思っているかもしれませんが、そのような姿を見ると「お金だけのカーショップ車」だと思われてしまうので、整備もできる姿を見せたければ基本の安全をきちんと守りましょう。
注意
※1、月極め駐車場の多くは石を含んだアスファルトが使用されています。
石を含んだアスファルトは車の重さに耐えきれず石が崩れることでジャッキがずれたり、車が倒れる可能性もあるので、このような場所での作業では車の下に潜るような作業は控えてください。
特にパンダジャッキでの作業は大変危険です。

※2、もし車の下敷きなった時にタイヤが致命傷を防ぐ効果があるのと、再度車をジャッキアップできるようにです。
ジャッキを入れる隙間がなくなった車を持ち上げるのは困難を極めます。

※3、必ずブレーキキャリパー、ドラムブレーキなどが閉じている(初期状態である)ことを確認してからブレーキペダルを踏んでください。
どこかひとつでも開いていると、ブレーキピストンなどが飛び出してきます。

※、少しでも難しいと感じたら、車整備に詳しい人、もしくは、専門の人と一緒に作業を行うようにしてください。
「作業ミス」「トラブル」「事故」等の責任は一切当サイトは請け負いません。
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