スターターモーターの単体点検、分解後の構成部品の点検を行います。
交換が必要と判断した部品を購入することは可能ですが、日本の自動車ディーラーやカー用品店の自動車整備士が、スターターを分解して必要な部品のみを交換するといった作業は行いません。
車の保証期間中であれば、新品のスターターに交換するだけです。
保証期間が切れている場合は、リビルト品(修理品)のスターターと交換することが多いです。
スターターを分解し点検することで得られるメリットは、交換が必要な部品のみを選別し交換することが可能な点です。
ただ、修理代を安くすることはできますが、手間と安全を考えるとリビルト品で十分だと言えます。
スターター単体での作動点検と考えてもらえると簡単です。
大まかな不具合を発見したり、修理後の点検作業としても行われます。
エンジンが始動できないなどの不具合やトラブルを、スターターモーターであることを明確にすることができます。
<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・スターター分解に必要な工具
・テスター
・ケーブル(ブースターケーブルなど)
・配線(リード線)
・バッテリー
<作業内容>
1、スターター本体と、その上に取り付けてあるマグネット
スイッチを繋ぐ配線「M」端子を取り外します。
2、バッテリープラスと、マグネットスイッチ「C」端子を繋げます。
3、マグネットスイッチ側の「M」端子に配線(リード線)を繋げ、スターター本体に繋げます。
4、スターター本体とバッテリーマイナスを繋げることでプルインコイル(4)が作動し、スターター本体のピニオンギヤが飛び出します。
「吸引点検OK」(この時、ピニオンギヤは回転はしません。)
5、「M」端子の配線を外し、ホールディングコイル(5)が作動しピニオンギヤが戻らなければ、「保持点検OK」
6、バッテリーマイナスから配線を外した時にピニオンギヤが戻れば、「戻り点検OK」となります。
ピニオンギヤに負荷をかけない状態で、スターターを回転させます。
その時の電流値を測定します。
「基準値」 = 「50A以下」
1、バッテリープラスと、「B」端子を繋げます。
2、「C」端子に配線(リード線)を繋げ、作動スイッチとします。
3、バッテリーマイナスと、スターター本体を繋げます。
(バッテリーマイナス → スターター本体の順番)
4、スターターを固定し(足で踏むなどして)、作動スイッチとした「C」端子を「B」端子に接続すると、ピニオンギヤが飛び出し回転を始めます。
(6)「B」端子とバッテリーの間に電流系を取り付けている場合は、回転が安定した2、3秒後に読み取ります。
・コンミュテーター高さ点検
マイカ(雲母)からコンミュテーターの高さを計測します。
(基準値 = 0.5〜0.8mm)
・断線点検(レアショート)
コンミュテーター間が断線していないか、テスターで点検します。
(基準 = 導通あり)
・接地試験
「コンミュテーター」と「アーマチュアコイルコア」間の絶縁を点検します。
(基準 = 導通なし(10MΩ以上))
・断線点検
「フィールドコイルブラシ」と「M端子」との導通を点検します。
(基準 = 導通あり)
「フィールドコイルブラシ」間との導通を点検します。
(基準 = 導通あり)
・接地試験
「フィールドコイルブラシ」と「ヨーク(ボディー)」との絶縁点検をします。
(基準 = 導通なし)
・絶縁点検
ブラシホルダーの「プラスブラシ」と「マイナスブラシ」との絶縁点検します。
(基準 = 導通なし)
ワンウェイ
クラッチはどちらか一方しか回転しないので、クラッチの回転を確認した後、逆回転ではロックすることを点検します。
<点検時期>
スターター作動不良を起こし、自身で点検しようと思った時に行います。
最初に申しあげたように、スターターはAssy交換が主流です。