ドラムブレーキとは、
ブレーキペダルを踏むことによって発生する油圧を利用した、ブレーキ方式の一種です。
タイヤと一緒に回転する「ブレーキドラム」を、ドラム内部に組み込まれた「ブレーキシュー」を押しつけることによって、ブレーキングを行います。
普通乗用車であれば後輪ブレーキに使用されたり、
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)として利用されたりしています。
トラック、バスなどでは、前輪ブレーキに使用されていることもあります。
<長所>
「自己倍力作用」によって、弱い力から強い制動力(ブレーキ力)を発生させることができます。
<短所>
放熱作用が「
ディスクブレーキの1/3」となるため
フェード現象が起こりやすく、ブレーキ内部に水が入った時などは、制動力の回復や、水の乾きが悪いとされています。
<ブレーキシュー>
ブレーキシューは、ライニングの貼り付け土台のことを指します。
ライニングは図を見るとわかるように、直進(回転)方向によって貼り付けている位置が異なります。
これによりブレーキング時の「カックン」とした動きを防止しています。
・プライマリーシュー、(図赤、左上)(図赤、右下)
・セカンダリーシュー、(図赤、左下)(図赤、右上)
ドラムの回転方向によってブレーキシューの呼び名が変わり、図のように左回転の場合、左側を「リーディングシュー」、右側を「トレーリングシュー」といいます。
しかしドラムの回転方向が逆になると、呼び名も逆になります。
ブレーキシューは、ブレーキドラムの回転による「自己倍力作用」によって、ブレーキシューの圧着力が増加します。
<自己倍力作用>
ブレーキドラムの回転にブレーキシューを押しつけることで、ブレーキドラムがブレーキシューを回転方向に引き込もうと(食い込もうと)するモーメントが発生します。
このモーメントの作用によって、ブレーキシューがブレーキドラムに当たる力(摩擦力)が増加し、自動的にブレーキ力を増加させることができます。
このことを「自己倍力作用(セルフエナージング作用、セルフサーボエフェクト)」といいます。
<構成部品と役割>
ホイールシリンダーの油圧で外側に押し出したブレーキシューを戻します。
ブレーキシューを、バッキングプレートに押さえてつけます。
ブレーキシューをつなげ、引き戻します。
パーキングブレーキを戻した時に、シューレバー、アジャストレバーが戻るようにしています。
パーキングブレーキワイヤーを取り付けます。
逆ネジの自動調整機構の要です。