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エンジンオイル交換
エンジンオイル交換は車にとって重要でありつつ何度も行う作業なので一度覚えると、その後の車整備と維持費が楽になります。

しかし廃油処理などの手間を考えると、最寄りの整備工場に依頼する方が断然楽であることは間違いないです。
(余談※1)


エンジンオイルに高級なスポーツエンジンオイルを使用する必要はありません。
低価格なエンジンオイルを定期的に交換することをお勧めします。
(余談※2)

カーボン
エンジン内部にできた「カーボン」や「スラッジ」の溜まりでエンジンオイルがすぐに黒くなってしまうとお悩みの方は、低価格なエンジンオイルを「3000〜4000キロの早いペースでの交換」を「長期間繰り返す」ことによって取り除くことができます。



・上抜き交換
エンジンオイルの交換方法として、エンジンオイルチェンジャーを使用した「上抜き」と、下記の交換方法の「下抜き」があります。

上抜き交換は、エンジンオイルレベルゲージからホースをオイルパンへと送り込み、「手動真空式エンジンオイルチェンジャー」であれば手動で、「電動式エンジンオイルチェンジャー」であればスイッチを入れるだけでエンジンオイルを抜くことができます。

これにより車の下に潜り込む必要もなくなりますし、作業ミスも減ります。


しかし「上抜き」は「下抜き」に比べ、「約5%」ほど効率が悪いみたいです。
(もっと交換効率が悪いような感じはしますが)


ただ今は安価でエンジンオイルチェンジャーが手に入り、「交換作業」と「作業ミス」の低減ができるのでオススメできなくはないです。




<準備・必要なもの>
・軍手(手を汚さないため)
・14mmのメガネレンチ(一部車両、メーカーは17mm)
・ガスケットスクレッパー、もしくはマイナスドライバー
・マグネットハンド(オイル受け皿からドレーンプラグ取り出しに使用)
・オイルジョッキ、もしくはジョーゴ(エンジンオイルを入れるのに使用)
・オイル受け皿、もしくはプラスチック容器
(高さ150mm程度、400mm×500mmぐらい、容量5リットル以上が望ましい)
・新品のエンジンオイル(車両に必要な容量より、0.5リットルほど多め)
(余談※3)
・新品のオイルドレーンプラグガスケット(メーカーによって多少異なります)
・ウエス


-寝板、もしくはダンボール(地べたに寝て作業をするのに使用)

-大きなビニール袋2枚(燃やせるゴミで廃油を処分する場合)
-新聞紙、雑誌などの古紙(紙に廃油を染み込ませる為、多めに準備)

-油缶(廃油をガソリンスタンドやディーラーに持っていくのに使用)




<作業内容>
(1)作業効率化のために車両前輪の片輪を作業用スロープや縁石に乗り上げておくと、車の下周りに潜りやすくなります。
(注意※1)


2、ボンネットを開け、エンジンルームを開きます。

オイルレベルゲージ
3、交換前のエンジンオイルの油量を確認するため、オイルレベルゲージ(エンジンのオイルパンに刺さっているレベルゲージを選択)を一度拭き取り清掃。
再度抜き差ししてエンジンオイルの油量を確認します。
(注意※2)

オイルゲージ・フィラーキャップ
4、エンジンオイルの抜けを良くするため、フィラーキャップ、オイルレベルゲージを取り外します。


5、車の下周りに潜るための準備。
14mmのメガネレンチ、ガスケットスクレッパー、マグネット棒、オイル受け皿、ウエスを準備します。

-エンジンオイルを燃えるゴミで処理する方は、オイル受け皿の中にビニール袋を重ねて入れ、その中に古紙を千切って入れておきます。

-寝板、もしくはダンボールの準備。

オイルドレーンプラグ
6、ドレーンプラグを緩める。
写真を参考に、オイルパンからドレーンプラグを探します。

14mm、もしくは、17mmのメガネスパナを使用し、ドレーンプラグを反時計回りに回し緩めます。
(上下逆さまなので、写真では左(手前)方向にメガネスパナを回します)

この時、緩めた力(トルク)を感覚として覚えておきます。

ドレーンプラグガスケットがドレーンプラグと一緒に回転せずにオイルパンに張り付いている状態であれば、ガスケットスクレっパー、もしくはマイナスドライバーを使いガスケットをオイルパンから剥がしておきます。


7、エンジンオイルを抜く。
ドレーンプラグを抜いた時にオイルが飛び出す方向を計算し、オイル受け皿をセットします。
(すぐにエンジンオイルの勢いは収まるので、ドレーンプラグの下にオイル受け皿の端が来るようにセッティングしてください)

指でドレーンプラグを弾くように回転させ、その回転の勢いでドレーンプラグが緩んで外れるようにすると、手にオイルが付かなくて汚れません。
(回転が途中で止まったら、マグネットハンドで上手く利用し取り外します)

エンジンオイルを抜く時間は、10分程度でかまいませんが、最後の最後までエンジンオイルを抜きたければ、1時間ほど待ってみてもよいかもしれません。


8、ドレーンプラグ回収。
エンジンオイルを抜いている間に余裕があれば、オイル受け皿からマグネットハンドを利用し、ドレーンプラグを回収します。


9、ドレーンプラグを清掃し新品のドレーンプラグガスケットに交換します。
(基本ガスケットは新品に交換しなければいけませんが、やむなく再使用できないわけではありません。オススメはしませんが)


10、ドレーンプラグ取り付け。
ウエスでオイルパンのネジ穴を軽く清掃し、指でドレーンプラグを奥まで締め込んでいきます。
(ここでの工具の使用は控えてください。必ず指の力で締めるようにしてください)
(注意※3)


11、ドレーンプラグ締め付け。
14mm、もしくは、17mmのメガネスパナを使用し、ドレーンプラグを締めていきます。

工具を指三本、第一関節付近で持ち、弱い力でドレーンプラグを締めます。

ドレーンプラグとガスケットがネジ山を残さずオイルパンに締めこんであることを確認した後、工具を持ち替え約45度締めつければ大丈夫です。
(注意※4)

※それでも心配な方は、先ほどと同じように工具を指三本、第一関節付近で持ち、ドレーンプラグを緩めてみてください。
ここでドレーンプラグが緩まないぐらいに締めつけてあれば大丈夫です。


(12)オイルエレメント交換。
次項の「オイルエレメント交換」をする場合、ここから。


13、オイル受け皿の回収。
余った新品のエンジンオイルの処理もあるので、ここでは廃油処理はしません。
エンジンオイルをこぼさないように注意しながら、邪魔にならない所に移動させます。

エンジンオイルマーク
14、新品のエンジンオイル注入。
エンジンに必要な量のエンジンオイルを入れるのですが、最初は「0.5リットル」ほど少なめにして様子を見ます。

「2、3分」ほどエンジンオイルがオイルパンへと落ちるのを待ち、レベルゲージでエンジンオイルの量を確認します。

これを繰り返し、レベルゲージの「F」ラインより少し少なめにエンジンオイルを入れ終えたら、フィラーキャップを締め一度エンジンを始動します。

1分ほどエンジンを回したら5分ほど待ち、再度エンジンオイルの量を確認して、「F」ライン付近にエンジンオイルが入っていれば、エンジンオイルの注入工程は終了です。


15、廃油処理。
-エンジンオイルを燃えるゴミで処分する方は、エンジンオイルが完全に紙に染み込むように古紙を追加していき、最後にビニール袋の口を締めれば廃油処理は終わりです。
(廃油は完全に古紙に染み込ませてください)

-ガソリンスタンドや自動車ディーラーに廃油を引き取ってもらう方は、油缶に古いエンジンオイルを移し、なるべく早く処理してください。
(保管する場合は必ず火気がない所、日の当らない場所)


16、再度、緩めたところが締まっていることを確認し、ボンネットを閉じれば終了です。




<交換時期>
半年に一度、もしくは「5000キロ」ごとの定期交換をオススメします。
年間走行距離が「5000キロ未満」であれば、一年に一度でいいでしょう。



余談
※1、エンジンオイルなどの廃油は、殆どの自治体で燃えるゴミ(可燃物)で処分できます(各自治体に問い合わせ)、一部のガソリンスタンドや、自動車ディーラーでも引き取ってくれます。
交換作業前に最寄りの店で確認してください。

※2、多くの自動車工場やディーラーは、低価格帯のエンジンオイルを使用しています。

※3、必要となるエンジンオイルの目安
1600cc = 3.5リットル
2000cc = 4.0リットル
3000cc = 5.0リットル
4000cc = 6.0リットル
+0.5リットルを準備すると良い。
注意
※1、昔の車載工具であるパンタグラフジャッキを使用してエンジン下周りに潜り込むのは大変危険です。
パンタグラフジャッキは前後左右方向どちらからか力を加えると簡単に倒れてしまいます。
ジャッキを使用する場合は、用途に合ったものを使用し、必ず外したタイヤを車の下に置くようにしてください。

※2、エンジンオイルの油量が前回の交換から速いペースで減っていた場合、エンジンオイルの漏れ、消費「オイル上がり」「オイル下がり」の可能性があります。
最寄りの整備工場で点検を受けることをオススメします。

※3、ネジ穴が噛み合わないからといって工具を使用してしまうと、ドレーンプラグが斜めに入ったりしてネジ穴を駄目にしてしまうことがあります。

※4、ドレーンプラグはエンジンオイル交換のたびに何度も取り外し取り付けを行います。
あまり強く締めすぎるとネジ穴が弱くなることもあるので、適度のトルク(力)で締めてください。
ガスケットも使用していることから、締めすぎには注意してください。

※、少しでも難しいと感じたら、車整備に詳しい人、もしくは、専門の人と一緒に作業を行うようにしてください。
「作業ミス」「トラブル」「事故」等の責任は一切当サイトは請け負いません。
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