ドライバーによって周期は違うものの
タイヤ交換の経験はあるはずです。
ホイールからタイヤを外し新品のタイヤに組み替えた後、組み替えたタイヤ・ホイールを機械に取り付けて、クルクルと回転させている姿を見たことは無いでしょうか?
これがタイヤとホイールのバランスをとるために振れを調べてくれる、「ホイールバランサー」という機械です。
このホイールバランサーに表示された位置に「バランスウエイト」を取り付けることによって、タイヤとホイールのアンバランス(振れ)を最小限に抑えることができるのです。
この作業を「ホイールバランス調整」といい、タイヤを新品に交換した際に必ずといっていいほど行われる作業です。
<タイヤホイールバランス調整でのディーラーの利用方法>
ほとんどの自動車ディーラーなどの整備工場では、タイヤホイールバランス調整は有料です。
それをいかに無料点検にするかは、その一言と点検に行くタイミングなどで確率が変化します。
ただし「前回の点検と同じ店舗」であること、「前回の点検が法定点検」であること、もしくは「タイヤ交換」か「タイヤローテーション」を行ってることが、今回記載している内容で無料になるかもしれないということです。
前回、同じ店舗や系列店で法定点検をしたのであれば点検の際にタイヤを外しているはずなので、「前回の点検から
ハンドルが左右に振れる感じがする」でOKです。
あえてタイヤホールバランス調整するように言わない方が、点検料金が無料になる確率が上がります。
前回の点検から2、3ヵ月程度過ぎてからタイヤホイールバランス調整をしてほしければ、「時間がなくて来れなかったけど、前回の点検から数週間たった後ハンドルが振れるようになったけど、タイヤホイールバランスは調整していますか?」でOKです。
もし「調整していますよ」とでも言われたら、「バランスウエイトの取り付けが甘くて外れたのでは?」でOKです。
<ホイールバランス調整の必要性>
タイヤとホイールを見ると綺麗な円を描いているように見えますが、実はそうではありません。
タイヤは、場所によってゴムの厚みが微妙に違っています。
また繋ぎ目もあることから、いびつな形をしています。
保管方法にしてもディーラーやカー用品店など各々の店舗で違い、ゴムなので保管方法一つで変形してしまいます。
ホイールは、同じバランスの物を作るのは難しいとされています。
タイヤほどアンバランスな造りでないにしろ、微妙に寸法が違います。
寸法が狂うとバランスが変わってきますし、それによってホイールの剛性にも変化がでてきます。
タイヤとホイールのアンバランスは製造工程上どうしても仕方ないことですが、微妙なアンバランスとはいえこの2つが重なり合うと、ドライバーに不快感を与えるだけではなく車に悪影響を与えてしまうこともあります。
これらを取り除くためにホイールバランサーという機械を使い、極力タイヤとホールを組み付けたときの「はめ合いを目検」で、「アンバランスをバランスウエイト」を取り付けることで取り除いているのです。
(余談※1)
<ホイールバランス調整方法>
上記に記載しているホイールバランス調整方法のことを指します。
ホイールバランサーにタイヤを組み込んだタイヤホイールを取り付け、ホイールバランサーにタイヤホイールの情報を打ち込みます。
スタート
スイッチを押すとタイヤ・ホイールがクルクルと高速回転を始め、停止すると、どの位置がアンバランスで、どのぐらいの重り(バランスウエイト)が必要か教えてくれます。
あとは指定された位置にバランスウエイトを取り付け、確認のため再度回転させれば終了です。
車にタイヤを装着した状態でタイヤ・ホイールのバランスチェックをします。
オフ・ザ・カーで取り除くことができなかったアンバランスを、「ハブ、ハブナットの締め具合」、「ホイールの取り付け位置」などで調整していきます。
アライメント調整、ホイールバランス調整で取り除くことができなかったハンドル(ステアリング)の振れ等のアンバランスを、オン・ザ・カーでは取り除くことができると聞いたことがあります。
しかし整備料金が高額となるため、よほどのことでなければオススメすることはできません。
<バランスウエイトの種類>
バランスウエイトとして使われる重りは大きく分けて2つあります。
ホイールのフランジ部に打ち付けて使用するバランスウエイトです。
鉄ホイール用とアルミホイール用があり、バランスウエイトの形と合い口のサイズで判断します。
打ち付けタイプの利点は、バランスウエイトを打ち付けて取り付けるので簡単には外れないことです。
片側がテープになっている貼り付けるタイプのバランスウエイトです。
打ち付けタイプのバランスウエイトが使えないアルミホイールに使用したり、社外品のアルミホイールに使用します。
貼り付けタイプの利点は、バランスウエイトが目立たなく、デザイン重視のアルミホイールを取り付けている方は貼り付けタイプを好みます。
貼り付ける前にパーツクリーナーで
ブレーキダストなどの汚れを取り除くのですが、それでも貼り付けタイプのバランスウエイトは徐々に粘着力が低下して外れることがあります。
(余談※2)
<ホイールバランスが狂うことによる不具合>
タイヤ・ホイールのバランスが狂うことで、以下の不具合が出てくることもあります。
しかし全ての車種、全てのドライバーにあてはまるわけではなく、ドライバーによっては「気づかない」「気にならない」といったこともあります。
50〜60キロ程度で、ハンドルがブルブルと震えるシミー現象。
タイヤ・ホイールバランス調整で改善されることが多いです。
車体やシートが小刻みに振動する現象。
タイヤ・ホイールバランス調整で改善されることもありますが、長期間の駐車でタイヤが変形していたり、タイヤが偏磨耗していると起こります。
タイヤの変形はある程度走行すると直りますが、偏磨耗は最悪タイヤ交換をしなければ車体の振動が取り除けない場合があります。
「ホイールバランス不良」や「アライメント不良」で走行を続けた結果、タイヤの一辺だけが磨耗して均等に減っていかない現象。
上記の低速時のハンドルのブレ(シミー現象)とは違い、高速走行時のある一定の速度区間のみハンドルが震えだし、その区間を越えたり下回ったりすると振れが収まる現象。
タイヤ・ホイールバランス調整で改善されることが多いですが、これで治らない方で何件ものディーラーやカーショップ、タイヤ屋さんを回ることになるドライバーもいます。
どうしても気になって仕方ない方は、「オン・ザ・カー」のタイヤ・ホイールバランス調整に頼んでみるのもよいかもしれません。
<ホイールバランス調整が必要となるタイミング>
ホイールバランス調整は「走行距離」や「年数」など定期的に行うものではなく、特定の整備をしたときや「運転中に不具合」を感じたときに行います。
タイヤ交換をしたらホイールバランス調整をしてもらいましょう。
「フロントタイヤだけ」なんて話を聞いたりしますが、交換したタイヤ全てのホイールバランスを調整するのが基本です。
タイヤローテーションをした時にもホイールバランス調整が必要となります。
タイヤを新品に交換しときにホイールバランスを調整しているのですが、タイヤローテーションも定期的に行うのではなく、前後差が大きくなったときにタイヤローテーションを行います。
そのため新品時に調整したホイールバランスにも多少の誤差が出ていることがあるため、ハンドルの振動などの不具合が出る前にフロントに持ってくるタイヤのホイールバランス調整を行います。
「車の振動」や「ハンドルの振れ」を感じたらホイールバランス調整をするのも不具合解消の手段です。
その他のタイヤに関する不具合解消にホイールバランス調整は、一番安くて簡単です。