24ヶ月法定点検(車検)を省略されることなく丁寧に点検整備してもらうのは大変難しく、それでも限りなく丁寧な作業をしてもらうための方法を
自動車整備士としての経験を活かして絞り出してみました。
<うるさい客になりきる>
自動車ディーラーやカー用品店などの店側はできるだけトラブルは避けたいもの、そのお客から小さな噂が流れれば追々店側の売り上げなどに影響してくるからです。
そのため店側は簡単にトラブルなりかねないうるさい客を覚えており、そのような方の点検整備となると事前に整備士の方にも伝えられます。
そうすることで丁寧な車検整備が行われます。
しかしうるさい客といっても「整備料金を安く値切ろう」としたり、「交換部品をケチる」ようなお客であっては意味が違ってきます。
ある程度お金を惜しみなく使え、交換部品などで整備料金が高くなろうとも文句を言わない人でなければなりません。
<車に詳しい客になる>
車に詳しいといってもレベルが低くては意味がありません。
日常点検を自分でするのは当たり前、ユーザー車検に行く時間がなくて店に任せているぐらいのレベルです。
もしくは「修理個所」「交換部品」を点検前に伝える(指定する)ことができるぐらいのレベルです。
これも車検整備後の手抜きを指摘されないように事前に整備士の方に伝えられることが多く、苦情が起こらないように丁寧な車検整備が行われます。
<点検後のチェックが厳しい客になる>
上記に似ていますが少し意味合いが違います。
それほど車に関しての知識は必要としませんが、毎回点検後の「点検個所を自分で確認」し、疑問や不安要素があったら店側に問いかけるような客です。
毎回、点検から戻ってきた自分の車のボンネットをその店で開け、すぐにチェックをいれるような客になれば簡単になれます。
上記の「うるさい客」と「車に詳しい客」の中間といったところでしょうか。
<店選び>
今まで記載してきた内容を実施してみても店側が「そんなこと気にしない」という態度であれば効果はありません。
「そんなことを指摘されるようでは駄目だ」と心を入れ替えるような店であれば徐々に良い店になっていきます。
それ以前に良い店を選ぶことで、「点検個所の省略」や「手抜き」などに悩まされることはありません。
私なりの見解で店選びに「★印」を付けてみましたので参考にしてみてください。
地域密着型で看板があり、なおかつ自動車メーカーの看板があるような古くから続く小さな自動車整備工場がお勧めです。
(注意※1)
地域住民に利用者が多く、変な噂が流れないように丁寧な整備を行います。
このような小さな店は信用を失うと簡単に潰れてしまうからです。
(余談※1)
月の車検台数は5〜20台程度、従業員も1、2人とゆったりとした時間が流れています。
時間短縮のため点検個所を省略することもなく整備料金は良心的です。
社長と仲良くなれば様々な特典も付いてくることもあります。
店自体がスポーツカーなどに囲まれ普通の車では近づきにく店構えですが、点検や車検をしてくれる店舗が多く、委託車検ではなくその店で車検をしてくれるようであればお勧めです。
(注意※1)
個人経営なので、理由は上記と一緒ですが、ハズレの店もあります。
しかし専門で取り扱っている車種となれば、ディーラーの整備士より知識ははるかに豊富です。
月間車検台数が「100〜300台」と多い自動車ディーラーの車検。
取り扱い車種ともなれば他メーカーではかなわない知識がありますし、なにより「車種の癖」とうのを知っています。
この「車種の癖」というのは(設計ミスではないと思う)、その車種特有の癖のようなものを知っており、その癖で「故障」、「消耗が早い部品」などを知っているということです。
これは毎回取り扱い車種を整備しているからこそ知っている知識です。
しかし車検や点検、それによる重整備が多い自動車ディーラーは時間に余裕がないことが多々あります。
そのため時折手抜き整備士が現れますし、車検や点検は若い整備士が作業するため、どうしても点数が下がってしまいます。
新しい店舗や改装したての店舗が多く、お店自体の機械が充実している点は評価が高いです。
働いている整備士も自動車ディーラーからの転職組が多く、安定しているようで若い人が多いように見受けられます。
また、これといって取り扱い車種がないのがないのがよくありません。
全車種整備といってもそれは他の工場もディーラーも一緒ですし、ナビやオーディオも同様です。
ただ展示品がそのまま在庫となっているためなかなか在庫切れというのもありませんし、カー用品の取り付けは手慣れているかもしれません。
オークションや下取りで手に入れた車の「内装」「外装」「
エンジンルーム」を、あそこまで綺麗にする時間と労力には感服です。
しかし主な目的は「中古車の販売」だけあって、整備の方は車検以上を必要としていないため整備士のレベル向上にはつながりません。
そのため工具も経験も不足がちになりやすく不安要素がでてきます。
ただ車を磨くということに関しては他の工場より頭一つ飛び出ているかもしれません。
そのような商売を中古車販売店がしていないのが勿体ないぐらいです。
ガソリンスタンドは給油ポイントであって、車を点検整備をするところではありません。
店員はアルバイトの集まりだったり、整備士免許を持っていたとしてもレベルが低く「知識」と「経験」がありません。
地方の自動車整備専門学校からの落ちこぼれの就職先だったり、他の自動車工場の作業スピードについていけない人の再就職先となっています。
第一線で働いている整備士が選ぶ再就職先ではありません。
カー用品の販売もしていますが、その交換理由は的外れ。
販売による「バックマージン」を目的としているので、信じて交換してはお金の無駄です。
また簡単な整備は自分のガソリンスタンドで行い、難しい仕事となると契約している自動車ディーラーへ委託整備をお願いする所もあります。
ディーラー側の整備士は、ガソリンスタンドの面倒な仕事でありどこまで整備をしているのかなど連携はバラバラ。
たとえトラブルになったとしても、ディーラーの整備士はガソリンスタンド側の客だと手抜きになりがちです。